第9話 クリスマス・エッチ

7/9
1303人が本棚に入れています
本棚に追加
/272ページ
実際、1月や12月の結婚式はあまり喜ばれない様で、由美が申し訳なさそうにしていた。 まあ、1月は後期試験の時期なので結婚式は避けて欲しかったけど、学生なので、社会人ほど時間に制約はない。 「授かり婚らしくて、お腹が大きくなる前にと急いだみたいだよ」 「それなら仕方が無いねぇ。実は、僕も来月、部下の結婚式なんだ。同じ授かり婚で」 「へえー、偶然。最近の流行? 何日?」 「20日の日曜日」 「あっ、同じだ。良かったね。(お互い会おうとした時の)都合の悪い日が減って。場所はどこ?」 「雅叙園」 「・・・」私は嫌な予感がした。 「もしかして、同じ?」彼が言った。 「うん」 「14時?」 「うん」 「もしかして、鈴木家と・・・」と彼。 「小西家」と私。 「え~!」二人同時に声を上げてしまった。 小暮さんと私、それぞれ新郎側、新婦側の出席者として同じ結婚式に招待されているらしい。 ショックだなぁ。小暮さんは、そう言って黙っていたが、「まあ、考えて見れば、陽菜ちゃんのお洒落した姿を直に見られるからいいか」と言った。 ホント、前向きな人。 私なんか、一緒に出席する礼子と、由美のことを考えると頭が痛い。     
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!