第22話 プーケット(幸せの意味)

13/20
1287人が本棚に入れています
本棚に追加
/272ページ
休暇が終わりバンコクに戻った佐伯さんを追いかけてバンコクまで来たのだと言う。 佐伯さんの『よかったら、バンコクに遊びにおいで』という社交辞令を信じて、バンコクに行ったらしい。佐伯さんはバンコクまで来たチャッマニーさんを見てとても驚いたようだったが、そのまま一緒に暮らし始めた。 1年ほど一緒に暮らした後、佐伯さんに帰国の辞令が出たので、取り合えす、チャッマニーさんを連れて日本に帰国した。 日本でのチャッマニーさんの暮らしは辛かったらしい。徐々に暗くなっているチャッマニーさんを心配して、佐伯さんが、タイに帰りたいか訊いた。 チャッマニーさんはタイに帰りたいけれど佐伯さんと別れるのはイヤだと、泣きながら訴えた。 チャッマニーさんの涙を見たのはその時が初めてだったので、佐伯さんはとても驚くと共に、かなり深刻な状況だと悟ったらしい。 佐伯さんは、会社を辞め、チャッマニーさんとタイへ戻り、そこで結婚した。今は現地でタイの雑貨を日本に輸出する会社を設立して生計を立てていると言った。 彼女は『実家の生活が苦しいので、とてもイヤだったが、仕方が無くチェンマイに働きに行った。そこで、佐伯さん出会えた。それが奇跡のようで、私は本当にラッキーだった』と言った。     
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!