第3話 軽井沢デート

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第3話 軽井沢デート

「アツ~~い!」 車から降りた私は、思わず叫んだ。 軽井沢というところは避暑地だと聞いていたので、意外だった。 「ホント、暑いねぇ。ごめんね」 別に暑いのは小暮さんのせいでは無いのには、謝ったので、私はあわてて言った。 「いえ、ごめんなさい。せっかく連れて来てくれたのに」 10時前に東京を出た私たちは、丁度、昼頃に軽井沢に到着し、小暮さんの提案で万平ホテルでランチを食べようと、ここに来た。 私は、巻きスカート風のノースリーブのワンピースにレース状のカーデガン、それに、今日の軽井沢の為にと、前回会った時に買って貰ったつばの長い帽子と籐編み調のバッグを持っていた。 「う~ん、このホテルにも似合っている」万平ホテルのドアマンに会釈で迎えられ、ホテルに入った時、小暮さんが私の服装を見て言った。 8月のお盆過ぎ、それも平日なのに、万平ホテルのロビーは賑わっていた。 このクラッシクなリゾートホテル、もし、こんなに賑わっていなかったら、その格式から私は入るのに少し緊張したかも知れない。     
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