第3話 軽井沢デート

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ただ、もうひとつ、気になることはあった。小暮さんと私の親子ほどの年齢差だ。 何度か会うに連れ、手をつなぎたくなる時があるのだが、小暮さんはどう思うのか、世間からどう見えるのか気になった。 そちらの方は、解決していない。 だから、車の中やラブホでふたりでいる時はリラックスして話をしているが、街中を一緒に歩いている時や、今日のようにレストランで食事をしている時には、人からはどのように見えているのか、気になってしまう。 オードブルを終え、桃を使った冷製スープを飲み終わった頃、小暮さんが言った。 「どのように接したら良いのか、ちょっと戸惑っていてね。いや、街中での事だよ」 小暮さんも気にしてたんだ。だから、街中では微妙な距離でふたり歩いてた。 「どう思う?」 「う~ん、どうって・・・」私だって考え倦ねていた。 先日のラブホを出た時の会話を思い出していた。 私たちは悪い事をしている? 小暮さんが結婚しているから不倫という民事責任は問われるかもしれないけど、犯罪では無い。つまり、当たり前だけど、逮捕されることは無い。 それに小暮さんの婚姻生活は事実上破綻しているから、不倫にすらならない可能性が高い。 だとすれば、親子ほど歳が離れていても、別に、やはり悪いことをしている訳では無い。     
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