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食事を終え、また少しギシギシという階段を降りていった。
食事中の「ちゃんと愛人関係になりましょう」と言った言葉を反芻していた。さて、具体的にどうすれば、いいかな。
今まで私は小暮さんとの年齢差を、周りからどう見えるのか気にして、街を歩く時は横並びより半歩後ろにいた。
プチでも愛人らしく(世間的には恋人の様に)振る舞うには・・・。
私は、小暮さんの左手を両手で掴むようにして腕を絡め、身体を密着させた。小暮さんが「おっ」と言って驚いた表情をした。
「イヤ?」
「全然! 嬉しいよ!」
そう言って、喜んでくれた。
そのまま、万平ホテルを出て行った。ホテルのスタッフが丁重に挨拶し、にこやかに見送った。
さあ、ホテルのスタップにはどんな関係に見えただろう。
歳が離れすぎているので、付き合っているようには見えないかもしれない。
仲の良い親子の娘が父親に甘えているように見えるかな。
そんなことを考えて車に向かっていると、小暮さんが言った。
「胸が・・・」
「え?」
「陽菜ちゃんの胸が腕にあたって、とても柔らかい感触が腕に伝わって気持ち良い」
悪戯心が芽生え、私は腕に抱きつくようにして小暮さんの腕を抱え込み、彼の腕に私の胸に押しつけた。
「ダメだ・・・」
「え?」
「既に、勃起してしまってる」
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