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「ジャン、どう攻める?」
「森か……このフィールドだとオッサンの方が有利だ。下手な作戦を打つより、アイシャやイリヤのゴリ押しの方が上手くいくかもしれねぇ」
ヒロが尋ねると、ジャンが即座に答える。
ベックマンはヒロ達よりもチーム戦において経験豊富だ。ジャンが幾ら頭を捻った作を講じても、彼の方が何枚も上だろう。
ならば、難しく考えずにアイシャとイリヤの火力で押せば勝つ確率は高い。ヒロとジャンは二人のバックアップに回る。
そう説明すると、ヒロは納得したように首肯し、他のメンバーに確認を取る。
「アイシャとイリヤもそれでいいかい?」
「ええ」
「構わない」
強張った顔でアイシャが即答し、イリヤは無表情で同意する。意見が一致したチーム・ヒロは動き始めた。
アイシャを先頭に、ヒロとジャンが並び、イリヤが殿を務めて森の中を颯爽と駆ける。 チーム・ベックマンが罠を仕掛けているか、それともヒロ達と同じように自分達から攻めて来るか定かではないが、いつでも戦闘が始まってもいいように各自神経を研ぎ澄ましていく。
フィールドの中間地点辺りに差し掛かった地点、前方から複数の魔弾が飛来してくる。それぞれが躱したり魔盾を発現して防ぐと、アイシャとイリヤが前方に攻撃を仕掛ける。
「いくわよ」
「いつでも」
「『バレット』」
「『STバレット』」
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