第20話「二十二」

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「「『ソード』」」  ヒロとアイシャも魔剣を発動し迎え撃つ。レイジとハルはアイシャへ、ニッタはヒロへそれぞれ斬りかかった。  ジャンもヒロの加勢をするため向かおうとするが、ダダダダダッと発射音と共に魔弾が飛んできてその場を動けない。すかさずイリヤが軌道先、右前方の木の上に向かって散魔弾を撃つが、回避されてしまった。  チーム・ベックマンの狙いは、ベックマンがジャンとイリヤの足止めをしている間に若い三人でアイシャかヒロを倒す作戦だろう。  そう上手くはいかせない。  アイシャは二体一だが、ヒロはニッタと一体一だ。ヒロがニッタを倒せば、形勢は一気に有利になる。そう思考したヒロは、雄叫びを上げながらニッタに斬りかかった。 「はぁぁああ!!」 「結構……強っ!!」  ヒロの猛攻に、ニッタは驚愕していた。  リーダーのベックマンからヒロは侮ってはならないと釘を刺されていたが、ヒロが落ちこぼれと揶揄されている事実を知っていたニッタはヒロの実力を見誤っていたのだ。 (ここだッ!!)  徐々に押され、マナブくんも削られていく。ヤバいと焦ったニッタが大きく下がると、ヒロは好機と見て勝負に出た。 「『アクセル』!」  奥の手である加速を発動し、不意をついて倒す。 そう考えるヒロがニッタに肉薄した刹那、足に何かが引っかかってしまう。  その直後、引っかかった何かが破裂する。 「――なっ!?」 「『TPバレット』」  破裂の衝撃に体勢が崩れてしまう。何が起きたのか理解出来ず思考が停止している間に、後頭部に徹甲魔弾を受けてしまい――、 『チーム・ヒロ、脱落』  ヒロは早々に脱落してしまった。
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