第20話「二十二」

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 ニッタが飛来する斬撃を繰り出しながら、ジャンへ詰め寄る。ジャンは魔盾で防ぎながら魔剣で応戦した。 「『TPバレッ――」 「『STバレット』」  イリヤはジャンの援護に徹甲魔弾を撃とうとするが、上空から散魔弾が降ってくるのを察知して、狙撃を中断してその場から大きく回避する。  先程から援護しようとすると、こうして姿を隠して何処かにいるベックマンに阻まれてしまう。思い通りにいかず、イリヤは微かに苛立ちを覚えていた。 「ハル、無理はするなよ!」 「うん、分かってる!」 「くっ……」  アイシャも、連携しながら攻めてくるレイジとハルに梃子摺っていた。一対一ならまだしも、銀級上位の二人が相手では強引に押し切れない。さらにレイジとハルの戦い方は、アイシャを倒すためではなく時間稼ぎをするような戦いなので、無理な攻撃はして来ず隙も生まれない。非常に厄介だった。 「(アイシャはまだ時間がかかりそうだ、イリヤの援護も難しい……ッ)クソったれ、俺がやりゃあいいんだろうが!!」  自分が眼前にいるニッタを倒せば、形勢は逆転する。そう思案したジャンは、多少無理してでも攻め切ってやると覚悟した。 「あら、アンタ如きで私が倒せんの?」 「調子に乗んじゃねえ!『スラッシュ』!!」 「『シールド』」  煽ってくるニッタにジャンは叫びながら斬撃を飛ばす。魔盾で防御されるが、魔弾の連弾で追撃した。  ニッタは魔盾を持続し、防ぐことに力を入れる。さらに少しずつ後方に下がった。 (罠かッ!?)  ニッタの動きが怪しいと感じたジャンは追うのをやめて足を止める。ヒロがベックマンの罠に嵌められた手口と同じだっからだ。  もしかしたら気付かぬ内に誘導されていたかもしれない。そう懸念したジャンは、ニッタに接近するか迷ってしまった。 「モヤシ君、離れて!」 「『TRバレット』、オン」 「――――ッ!!?」
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