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「『ソード』ッ!」
「やぁ!」
「はぁぁぁあああああ!!」
「くっ……!!」
レイジ、ニッタ、ハルによる怒涛の攻めに防戦一方のアイシャ。
幾ら戦闘スキルがズバ抜けて高いアイシャでも、銀級上位相手に三体一は厳し過ぎる。今は魔力切れで加わって来ないが、これでベックマンまで加勢してきたらあっという間に終わっていただろう。
「「『スラッシュ』ッ!!」」
「『ソード』」
レイジとニッタが繰り出す飛来する斬撃を魔剣で撃ち落とし、
「『バレット』!」
「『シールド』!」
隙をついて放ってきたハルの魔弾を間一髪魔盾を発現して防ぐ。
やられないことに精一杯で、反撃する暇が全くない。苦しい表情を浮かべるアイシャ。そんな彼女に、チーム・ベックマンのメンバーは畳み掛けるように仕掛ける。
「「『ソード』・『アクセル』!!」」
「『ソード』・『アクセル』!」
魔剣と加速を発動したレイジとニッタが、加速したスピードでアイシャに肉薄した。アイシャも同じ魔技を発動して応戦するが、やはり手数が多くて押し込められてしまう。
このチームの厄介な所は、他のチームよりも連携が抜群に上手いことだ。
遠距離にしても接近戦にしても、互いが互いの邪魔をせず、ミスも庇い合って全てがプラスになっている。まるで言葉を発していないのに意思疎通が出来ているかのようだ。
アイシャも決め切れる瞬間は幾度かあったが、その度に片方に防がれてしまう。
これが、チーム・ベックマンが今まで積み重ねてきた彼等の力だった。
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