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「滝が生きてるみたい」
「でしょ! 同じ様に感じてくれる人がいて嬉しいよ。 生きている滝の迫力をそのまま写真に撮ればいいから」
香山部長に言われて、同じ場所で何枚もシャッターをきった。
「私が撮った写真には香山部長の様な迫力がない気がします……」
「じゃ、次は滝にきちんとピントを合わせてみょうか?」
香山部長は手動でのピントの合わせ方など、私にわかりやすい様に1つずつ教えてくれる。
30分が過ぎる頃には自分でも納得のいく写真が撮れるようになってきた。
「香山部長、私にだけ教えてもらっててもいいんですか? 1年生が4人もいるのに」
「1年生の事は部員に頼んであるから大丈夫だよ。 この前、僕の写真を食い入るようにみてくれていた鈴木さんと写真の話をしたくて部員に1年生を任せちゃった」
香山部長が照れている。
今だ。パチリ。
「香山部長の照れた写真撮っちゃいました! これが今日の最高傑作かも」
「鈴木さん!!」
香山部長が笑っている。
キュン、この時、私は恋に落ちた。
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