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体験が終わった次の日、写真部の部室に行くと、ちょうど1年生4人だけがいて、入部届けを書いているところだった。
「鈴木先輩って香山部長と付き合っているんですか?」
いきなり1年生の中条奈美ちゃんが話しかけてきた。
「ええっ! 付き合ってないよ。
そんな事言ったら香山部長に失礼だよ」
「付き合ってないんですか?
彼女を写真部に誘ったんだと思ってました」
「違う、違うって」
顔をぶるぶると左右に震る。
「なんだ。 じゃ、私にもチャンスがあるのかな?」
「ばーか、止めとけ。
部長が鈴木さんを好きなのは見てたら分かるだろ」
1年生の谷山奏太君がぶっきらぼうな口調で言う。
「そうだけど、もしかして……2年生だから気を使ったとか?」
「もう! ありえないって。
奈美は俺と付き合うの!」
「えっ、奏太……」
奈美ちゃんの顔がどんどん赤くなっていく。
「奏太、今だ。 きちんと告白しろよ」
1年生の佐竹守君が奏太君を急かしている。
「わかってるって! 奈美、中学の時からずっと好きだった。 付き合って下さい」
奏太君が奈美ちゃんに右手を差し出した。
「えっと、ええっ、どうしょう、奏太が嫌いな訳じゃないけど、ええっ……うん、あの、最初は友達から」
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