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脳を揺さぶられる様な衝撃。
気づくと、父の胸を両手で何度も叩いていた。
「嫌だ! 東京を離れるなんて絶対嫌」
高校1年の冬、いきなり父が会社が倒産したから鹿児島県伊佐市の実家に帰ると言いだした。
東京には友達も沢山いる。 思い出も沢山ある。
友達と離れるなんて絶対に嫌。
「真尋ごめん。 この家は会社の借り上げ住宅なんだ。 後2週間で出ていく様に言われてる。 本当にごめん。
伊佐市は良い所だから、きっと真尋もすぐに気にいるから」
父はすまなそうに私に頭を下げた。
中学2年の時に母が病気で亡くなってから、父は朝早く起きて私のお弁当を作ってくれている。
真尋が恥ずかしい思いをしないようにと、お弁当の本を買い、最初の頃は1時間もかけて作ってくれていた。
参観日は、有給を取り必ず来てくれた。
そんな優しい父が大好きだった。
だけど、それとこれは話が違う。
「私、行かないから!」
スマホを持ち、家を飛び出した。
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