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香山部長は写真部の部室の中に入って行き、部活紹介の時に展示してあった自分の写真をロッカーの中から取ってきて、私の前にある机の上に置いた。
「真尋ごめん。 ずっと前から東都映像大学に行くって決めてた。
俺、将来、映像の仕事をしたいんだ。
この写真の『曽木の滝』や『曽木発電所遺構』良いだろ?
いつか、ここを舞台にした映画を作りたい。 その為に東都映像大学で映像の勉強をしたい」
机の上にある2枚の写真をじっと見ると、あの時と同じ様に写真の世界に惹き込まれていく。
どのくらい写真を見ていたのだろう、香山部長の気持ちがストンと心の中に入った気がした。
「……応援してますとは言えない……だけど、香山部長の気持ちはわかります」
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