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「ううっ……わかりました」
勉強は嫌いだけど、香山部長が一緒に勉強してくれるなら良い点取れそうな予感がする。
それから中間テストが終わるまでの9日間は勉強に集中して、香山部長が東京の大学を受験する事は考えない様にしていた。
正確に言うと、考えない様にしても、勉強の合間や、授業中、ふと思い出し何度も涙が出そうになった。
その度に、香山部長と2人で『曽木発電所遺構』にいるイメージを頭に浮かべて悲しみを消す努力をした。
中間テストは香山部長が一緒に勉強してくれた事もあって、まあまあ出来たと思う。
「真尋、良く頑張ったね」
香山部長も私の頑張りを認めてくれた。
「香山部長のおかげです。 英語も全部埋めたし追試にはならないはず……たぶん」
「大丈夫だって。 この問題なら65点は取れてるよ」
「くぅーー、いつも90点以上の人に、65点で褒めてもらってもぉーー」
余裕の香山部長の対応がちょっと悔しい。 いつかもっと良い点を取れるようになって香山部長を見返してやるんだから!
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