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日曜日の朝、家を出るのは8時なのに興奮しているのか5時に目が覚めた。
「真尋、楽しそうだね」
鼻歌を歌いながら朝ご飯を作っていると、父が嬉しそうに声をかけてくる。
「そうかな。 あっ、お父さん、今日は曽木の滝に出かけてくるから」
照れ隠しの為に、キッチンの方を向いたまま答えた。
「曽木の滝か、懐かしいな。
真尋に遊びに行く友達が出来てお父さんは嬉しいよ」
「友達じゃなくて、写真部の体験なの」
「真尋、写真部に入部したのか?
良かった。
真尋は伊佐に来てからずっと沈んでいたから、お父さん心配してて……本当に良かった」
まだ入部するって決めた訳じゃないから、と言おうとしたけど、父の喜んでいる顔を見てやめた。
父にどれ程心配をかけていたかわかったから。
「じゃ、行ってくるね」
「楽しんでおいで。
帰ったら話を聞かせて」
時間になり父に声をかけると、父はにこにこしながら私を見送ってくれた。
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