第一話「天使くんを保護しました」

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 ***  高校二年生になると、入学式は関係ないものと思っていた。  でも式には出なきゃならないし、新入生の案内、部活や委員会の説明、式の後の片付けなんかで忙しい。  それもこれも、親友の雪乃(ゆきの)が生徒会役員になってしまったからで。私はそれを手伝っているに過ぎないんだけれど。 「ねえ、雪乃。書記ってさ、会議の時とかに書き取るだけが仕事だと思ってたんだけど」 「夏海(なつみ)らしい考え方ね。高校の生徒会ってのは、会長以外はそんなに仕事変わらないって」 「なんで生徒会に入ったの?」 「なんでだろうねぇ」  かなりさらっと流された。  隠し事は駄目だからとか言っておきながら、しっかり隠してるじゃん。不貞腐れるぞ。  そんな生徒会の手伝いをする私も、なんで手伝っているんだって話。  でも雪乃に頼まれたら断れない。こんな私と友達でいてくれる数少ない女の子の一人だから。  逃したくないというか。多分、雪乃しか私の相手をしてくれない。貴重な女友達。変な噂されることもあるけど、それも気にしないなんて凄いよ。
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