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雪乃と私が付き合っているなんて、ただ親友の付き合いしているだけなのにな。
オトコオンナなんて昔から言われてた私だから、仕方ないといえば仕方ないのかな。雪乃には申し訳ないけれど。
というか、高校生になってからはだいぶ女の子してるんだから、噂の方がおかしい。
私は悪くない!
ふと見れば、雪乃が一生懸命に椅子を運んでいる。
赤い頬を更に赤くして、お気に入りのオレンジリップがよく似合ってて、タレ眉が悩みだって言うけど可愛くて、本当にお人形さんみたい。
私なんて、化粧はしないし髪は雑にポニーテール。本当に女っ気ないなぁ。まあ、雪乃と比べるほうがどうかしてるか。
「夏海、早く椅子を片付ける!」
「雪乃があまりにも可愛くて」
「可愛いのはわかったから、早く片付ける!」
「おう、自信満々ですこと」
「いいから早く!」
さすがにイライラしてきたのか、雪乃は私を適当にあしらってくれる。ちょっぴり悲しい。
生徒会の雪乃は先生以上に真面目になる。普段は溶けたバターみたいなのにな。
私もか……。
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