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全ての作業が終わった頃には夕方になっていて、サンドイッチしか食べていなかった私は空腹で倒れそう。やっぱり唐揚げも買えばよかった。
入学式が終わってみんなお昼には帰ったから、どことなく静かな校内。
日暮れのせいか少し肌寒い。サラサラと吹く風、不気味な校舎が背筋を凍らせる。
別に幽霊なんて信じてない。ただ、不気味だから早く帰りたい……んだけど。
雪乃はまだ生徒会のみんなと話し中で、部外者な私は何となく入りにくい。
というか、雪乃は生徒会長といい雰囲気だ。ショートボブの髪の間から覗く耳が赤くなっている。
「謎が解けたかも」
雪乃のやつ、生徒会長が好きなんだ。だから生徒会に入るなんて言い出したんだな。
雪乃の秘密を見つけた。おとなしい顔して、しっかりアピールしてるんじゃない。
しかし知らなかった。まさか、雪乃に好きな人がいるなんて。何も言ってくれなかった。私も気づかなかったけれど。
腹立たしいほどに、私は雪乃の変化に気づかなかった。これは裏切りだ。罰として生徒会長と帰ってもらおう。
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