第一話「天使くんを保護しました」

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 ・・・  全ての作業が終わった頃には夕方になっていて、サンドイッチしか食べていなかった私は空腹で倒れそう。やっぱり唐揚げも買えばよかった。  入学式が終わってみんなお昼には帰ったから、どことなく静かな校内。  日暮れのせいか少し肌寒い。サラサラと吹く風、不気味な校舎が背筋を凍らせる。  別に幽霊なんて信じてない。ただ、不気味だから早く帰りたい……んだけど。  雪乃はまだ生徒会のみんなと話し中で、部外者な私は何となく入りにくい。  というか、雪乃は生徒会長といい雰囲気だ。ショートボブの髪の間から覗く耳が赤くなっている。 「謎が解けたかも」  雪乃のやつ、生徒会長が好きなんだ。だから生徒会に入るなんて言い出したんだな。  雪乃の秘密を見つけた。おとなしい顔して、しっかりアピールしてるんじゃない。  しかし知らなかった。まさか、雪乃に好きな人がいるなんて。何も言ってくれなかった。私も気づかなかったけれど。  腹立たしいほどに、私は雪乃の変化に気づかなかった。これは裏切りだ。罰として生徒会長と帰ってもらおう。
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