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私は生徒会役員からこっそり離れ、建物の陰に入り込む。
すぐにスマホを取り出して、メール画面を出した。
"うん。確かに生徒会長はカッコイイ! 詳しくは明日、聞かせなさいよね。じゃあ、お疲れ様!"
送信した直後、雪乃の方から軽やかな音楽。同時に雪乃が叫ぶ。
「夏海!? ちょっと待ってよ!」
いいえ、待ちません。とにかく私は空腹なんで帰らせてもらうからね、雪乃。
あんな大声出して、生徒会長にびっくりされたんじゃないかと心配になるけど、まあいいかと歩き出す。
私は雪乃に出会わないように急いで校門を目指した。でも、考え直す。
まだ四時。今なら大丈夫かもしれない。
私は方向転換。
体育館を背にすると左から校庭、校舎が二棟並ぶ。校庭の方にある正門よりも、校舎側の裏門を通った方が、実は早く帰れる。
第二校舎の裏側にあるのが裏門。
駅までの近道になるから、使う生徒はまあまあいる。でも、ちょっと薄暗い小道を行かなきゃならないから、遅くなるとあまり利用する人はいない。
先生には裏門は行くなって言われているし。
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