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「そうなんです。お財布を忘れたとかで。このままじゃ帰れないようなので、お金を……」
「バカ!!」
私は新入生の前まで行き、平手で頭を叩いていた。あまりにもわかっていないから、つい……。
「よく見なさい。まずこの男。真っ赤に染めた髪、耳だけじゃなくて唇にまであるピアス。どう思う?」
「個性的ファッションですね」
「違う! 一般の人と違う格好をして威嚇して、同じような馬鹿面したのとつるむ奴は、大抵が道を踏み外した馬鹿なの! 特に高校生なのにってところが問題なわけよ!!」
見てられない。こんなに純粋に受け取る高校生がこの世にいたことが奇跡。
よくわからないけど、とにかくこの絶滅危惧種の彼を保護しなきゃ! こんな純粋な天使くん、放っておけない!!
「オイ!!」
呼ばれて見下ろす形で赤髪を振り返る。
そして自分の発言を思い出して、血の気が引くのを感じた。
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