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「もしかして、怒ってる?」
「……一応、その自覚はあるみてぇだな」
「とりあえず、落ち着きません?」
「……落ち着けると思うか?」
そうですね。今、私はピンチなんですね。天使くんを保護する前に、私がピンチでどうするんですか! 一番、やっちゃいけないパターンじゃないの!!
私のバカぁ。
天使くんだって怯えて……ないね。笑ってる。空気読めてないんだけど。
「覚悟はいいか?」
いつの間にか天使くんの手を握っていた。
何とかして守らなきゃって思った瞬間、兄貴の言ったことが思い出された。
『夏海、女らしくなりたいの?』
『女らしくしないと仲間外れにされるから?』
私には兄貴が二人いる。
仲はいい方で、特に十歳も離れた上の兄貴とはよく遊んだ。下の兄貴とも五つ離れていて、殴り合いのケンカまでしたことがある。
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