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「早く片付けろ!」
「ヒャア!」
突然、後ろから怒鳴られて飛び上がらんばかりに驚いた。
そんな俺に草野は呆れた。
「驚きすぎだろ」
「すみません。すぐやります」
ペコペコと頭を下げて、ぬいぐるみを袋に入れた。
全部片づけると少女の体が出てきて、体育座りをしていた。
(思ったより、可愛い……)
可愛いけど、幽霊。
「君は、ここの住民かこの部屋と関係があるの?」
「……」
何も語らない。
草野の話では、お年寄りが亡くなった部屋だったから、この少女じゃないだろう。
部屋にある下着も洋服もお年寄り用で、この少女のものじゃない。
でも、この少女もこの部屋に関係しているから、ここに憑いている可能性が高い。
「君、名前は?」
「アヤナ」
「アヤナちゃんか……」
俺は、指輪を探しつつゴミを片付けた。
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