18.死神

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「近々、とんでもない災難に見舞われるみたい」  内村莉緒が、俺の運勢について不吉なことを言った。  タロット占いにはまっているから占ってあげると言われ、ノコノコとファミレスにやってきて軽い気持ちで頼んだのだが、結果はものすごく悪かった。 「どんな災難?」 「もしかしたら、死ぬかも」 「死ぬ!?」 「ここは、未来の位置なの」  正位置で置かれた死神のカードを指した。 「これは、これから起きるとんでもない不吉を暗示しているわ」  今までも幸運だったこともないので、不吉と言われても特に驚かない。 「それで、どうしたらいいんだ?」 「気をつけるしかないわね」  対処法がないのなら、知らない方が良かった気がする。 「とにかく、しばらく警戒してね。カードがそう言っているから」 「わかった」  占いなんて馬鹿馬鹿しいと否定すれば、怒り狂って反論してくるだろうから聞き入れた振りをする。 「お待たせしました」 「きたきた」  莉緒は、運ばれてきたパスタのランチプレートを美味しそうに食べだした。  俺は、ドリンクバーのコーヒーを飲む。 「勝目君は、これからどうするの?」 「これからって?」 「仕事よ。今はバイトなんでしょ?」 「そうだけど……」 「いつまでも、バイトじゃまずいと思わないの?」  最後は生き方について怒られる。  結局、ランチを奢らされて怒られただけで、莉緒とファミレスで別れた。
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