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アヤナが呆れて怒った。
「毎回、毎回、奢らされるとわかっているのに、よく呼び出されていくよ。頼んでもいない占い代だって? よく言うな」
「もしかしたらって思ってしまうんだよね。まあ、いつも通りに、何もなかったわけだけど」
(でも、いつかは)と、期待してしまう自分が悪いのだろう。
「タロット占いにも、正直の不運が出てしまっているからなあ。いい方には転ばないと思う」
「どういう意味?」
「あれは、強運の男を探すために占っているんだ」
驚愕の説。
「え? そういう目的?」
「それ以外に何があるって言うんだ? 残念ながら、正直は不運すぎてダメだったということだ」
「タロット占いで男探しとは……。いつだって、女は男の想像を超えてくるね」
不思議と、腹が立つよりも感心してしまう。
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