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自分だって死にたくないが、3分もすれば意識がなくなるだろう。
必死に抵抗したが、土屋の力に敵わない。
「正直! 今、助けるからな!」
アヤナは、キッチンにあった陶器の皿をテーブルから落とした。
ガチャンと音を立てて壊れたので、土屋が驚いて振り向いた。
「正直を放せ!」
アヤナは、散らばった破片の一つを握ると、ちょうど見開いた土屋の両目を横に切りつけた。
「ウギアアアアア! 目が!」
土屋は慌てて手を放すと、両目を押さえた。
眼球が綺麗に切れて血が流れている。
縄が首から外れたので、俺は息を吹き返した。
「ゲボオ! ゲボ!」
「正直! 大丈夫か」
うんうんと、首だけ動かして返事した。
「どこに行った……」
視力を失った土屋は、方向感覚まで失ってその場でグルグル回っている。
「今のうちに逃げろ!」
吐きそうになりながらも、ベランダから転がり落ちるように外へ逃げた。
その後、通行人に頼んで警察に通報した。
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