18.死神

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 土屋の幽霊について。  殺された直後は相当錯乱していたが、その後、落ち着いた。  強盗殺人犯が捕まり、死体も家族に引き取られて弔われたことで、苦しみから解放されてあの世に旅立っていった。  今回の立役者はアヤナだ。 「私だって、役に立っただろ」  アヤナは偉そうに言った。 「あんなに大胆な攻撃をするとは驚いたね」 「視力を奪われたら、どうしようもなくなるだろ。それを狙ったんだ」 「命拾いしたよ。ありがとう」  お礼の言葉に、アヤナは満足した笑顔になった。 「これ、美味しいな。最中は大納言に限る」  あんこ好きなアヤナは、うまそうに食べている。  俺も最中を頬張った。  恐ろしい目に遭わせたお詫びだと、草野がくれた最中だ。 「そういえな、あのタロット占いが当たったんじゃないか?」 「ああ、そうだった」  莉緒のタロット占いを思い出した。  死ぬかもしれないと忠告されたが、すっかり忘れていた。  覚えていても何の役にも立たなかったが。 「俺、そんなに不運なのかな。殺されそうになり、振られ、幽霊に憑かれ……」 「幸運と不運は同じだけくる。これからは、運も向いてくるよ」  アヤナは、2個目の最中に手を伸ばしながら慰めてくれた。 ―― 終わり
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