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アヤナも気づいた。
「正直……、お前、声が震えている? あ……」
アヤナは、布団の上から俺の体を触った。
「体も……」
「嬉しくて、震えが止まらないんだよ!」
――違う。
本当は、涙が止まらないんだ。
アヤナがいなくなるなんて、考えたことなかった。
幽霊と同居なんてずっと続くとも思っていなかったけど、アヤナには寿命ないんだし、あながちありえなくもないかなと思うこともあった。
そのうちに、俺も死んで幽霊になって、幽霊同士で生きていくことだって可能じゃないかという仮説まで立てていたんだ。
それが、これで終わりだって?――
布団から出ると、思わず大声で叫んでしまった。
「なんで、そんな大事なことを勝手に決めているんだよ!」
「正直……」
アヤナは驚いた。
「図々しく、ずっとここにいるんだと思っていたよ。なんで今更成仏するなんて言うんだよ!」
涙が出ていることにも驚いている。
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