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アヤナが成仏してから10年が経ち、俺は作家になった。
アヤナと過ごした日々を、「幽霊探偵アヤナ」というエンタメ小説にしたら、それがデビュー作となり大ヒット。
高卒フリーターだった俺が、今では「先生」と呼ばれている。
結婚もした。
行きつけの居酒屋の娘で、俺より8歳も下なのに、なぜか気に入られて仲良くなり結婚してくれた。
作家だということは結婚するまで知らず、無職のおっさんだと思っていたそうだ。相当、しょぼくれて見えたのだろう。
『なんで、無職のおっさんと結婚しようと思ったの?』
『優しそうだなって思って。仕事は気にしなかった。いざとなれば、うちの居酒屋を継げばいいって思っていたから』
楽天的なところが、嫁の魅力の一つである。
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