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ネットの求人板で見つけた片づけ屋の面接に行ったとき、代表の草野が俺にこう言った。
「誰でもできる簡単な仕事だ。だけど、私は人を選ぶ。それは、この仕事は信用第一だからだ」
俺は、黙って聞いた。
「君は、澄んだ目をしている。経歴も汚れていない」
「はあ……」
澄んだ目をしているなんて今まで言われたことがなかった。
どれだけ濁った目と汚れた経歴書を見てきたんだろうか。
「仕事をする上で、これだけは守ること。ゴミ一つでも個人で持ち出してはいけない。仕事で見聞きしたことは、決して外に漏らさない。いいね?」
そんなに難しいことじゃない。
俺は簡単に承諾した。
「分かりました」
「じゃ、採用。明日から来てくれ」
楽な仕事をゲットしたと、このときの俺は、とても気楽に考えていた。
俺は二十歳のフリーター、勝目正直。
申し込んだバイトは『有限会社ハッピークリーン』という片づけ屋で、草野という50歳くらいの代表が一人でやっていた。
多分、採用してもすぐ辞めてしまうか、あるいは、手癖の悪い奴が多くてクビにしてきたのだろう。
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