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「美濃摩美です」
出迎えてくれたお姉さんは、色白のアラサー美女だった。
ちょっとだけ心がハッピーになった。美女は偉大だ。
この美女の妹なら、霊が出てきても期待できるかも。
「片づけ屋ハッピークリーン代表の草野です。こちらは勝目正直です」
「本日はよろしくお願いします」
「片づけるのは、生活ゴミと、妹さんの荷物の運び出しですね」
「はい。妹の荷物で引き取れそうなものはうちで引き取ります。男の方の荷物は、向こうの実家に送るのでそのまま置いておいてください」
「男性の家族は来られないんですか?」
「はい。遠方だから任せると」
息子が行方不明で、同棲していた恋人が死んでいるのに、無関心なのだろうか。
片づけを始めると、背中のアヤナが耳元で言った。
「さっそく、出ているぞ。女の幽霊」
そんな予感がしていたから、そんなに驚かない。
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