4.人の恨みに要注意

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「美濃摩美です」  出迎えてくれたお姉さんは、色白のアラサー美女だった。  ちょっとだけ心がハッピーになった。美女は偉大だ。  この美女の妹なら、霊が出てきても期待できるかも。 「片づけ屋ハッピークリーン代表の草野です。こちらは勝目正直(かつめまさなお)です」 「本日はよろしくお願いします」 「片づけるのは、生活ゴミと、妹さんの荷物の運び出しですね」 「はい。妹の荷物で引き取れそうなものはうちで引き取ります。男の方の荷物は、向こうの実家に送るのでそのまま置いておいてください」 「男性の家族は来られないんですか?」 「はい。遠方だから任せると」  息子が行方不明で、同棲していた恋人が死んでいるのに、無関心なのだろうか。  片づけを始めると、背中のアヤナが耳元で言った。 「さっそく、出ているぞ。女の幽霊」  そんな予感がしていたから、そんなに驚かない。
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