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部屋の隅にたくさんのぬいぐるみがあった。
ゴミとは違い、ピラミッド型に綺麗に並んでいる。
生前は可愛がられていたのだろうか。
クマのぬいぐるみを手に取って見てみると、手作りだった。
次々と見てみる。
「これもか……、これも……」
イヌ、ペンギン、ネコ、キリン、サル……。
動物好きだったのだろう。
縫い目がへたくそながら、愛嬌のある顔をしていて、ここにきて持ち主の正常な一面が見られた気がした。
隣の部屋から草野が叫んだ。
「時間がないからスピードを上げろ」
「はい」
俺は、ぬいぐるみをまとめて袋に入れようと、山を崩すと、中から中学生ぐらいの少女の顔が出てきたので度肝を抜かれた。
「ウワアアアア!」
少女の体は、ぬいぐるみに囲まれていた。
「おい! どうした!」
草野が飛び込んできて、俺を見てから視線の先のぬいぐるみの山を見たが、少女に気づいていないようで驚かない。
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