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何か巨大なものがぶつかったような衝撃と音がベッドに倒れた身体に響く。
「……な、に?」
窓を覗くと、激しい雨粒と波しぶきがガラスを叩いていた。
外は嵐なのだろうか。
それで船が何かにぶつかった?
えもいわれぬ焦りがメリッサを襲い、慌てて身体をベッドから起こすと半分這うようにしてドアへと向かった。
ドアの外には常に護衛が立っているはずだ。
隣の部屋にはメイドたちもいるはず。
「どうしたの?何かあったの?」
ドア越しに問いかける。
本来ならすぐに護衛の返事が返ってくるはず。
なのに返事はない。
メリッサは迷ってそっとドアに耳に充てた。
遠くにバタバタと人の足音らしき音と、近くで小さく呻き声らしきものが聞こえた。
メリッサは一度ドアを離れてからぎゅっと鳩尾で拳を握る。
深呼吸を一つ。
大きく息を吐いて、ドアノブへと腕を伸ばした。
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