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どれくらいそうしていただろうか。子どもらの食い気と、俺のパフォーマンスに満足する頃には、幼い子の何人かは親御さんに手をひかれ、あるいは抱えられて、家へと帰っていくのが見えた。
……そういえば、あの子どもはどうしたのだろう。
俺は缶チューハイ片手に、その子どもを探した。
その子どもは、ちょうど灰色のワンピースを来た人に手を引かれて、明かりの届かない場所へと去ろうとしているところだった。
……ああ、よかった。親御さんいたんだ。
と、その子どもが立ち止まり、俺の顔をじっと見た。
その子どもは、何故か顔をくしゃりと歪ませ、手を引かれて闇の中へと姿を消した。
その夜、俺は、その子どもの顔が、どういう訳か脳裏から離れなかった。
関西での就職活動に一区切りついた。
帰りの電車に揺られていると、彼女からの連絡がきた。
その連絡で、己のひとときの快楽と欲望が引き金となった、己自身の罪を突きつけられた。
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