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焼き鳥を焼きながら、俺は公民館の中をのぞき、あの子どもの姿を探した。
するとその子どもは、公民館の隅で、ボードゲームの駒を積み木のように遊んでいるのが見えた。
すっかり日が落ちた頃、住職がやって来た。住職の集合の合図で、子どもたちは遊ぶのをやめ、地蔵の御堂前に作られた台に次々上がり正座をする。
やがて御堂前は読経に包まれる。集ってきた人々が、次々と祈りをささげていく。
あの子どもも、そのなかに混じっていた。
それにしても、あんなに小さいのに、ちゃんと正座をして、お経を唱えることができるなんて。
それに俺、お経をきちんと聞くのは、これが始めてなのかもしれない。
読経が終わると、待ちかねたとばかりに子どもたちは俺達の元にかけより、出来たばかりの焼き鳥や焼きそばをもらいにきた。
子ども達がほうばり、かき氷のシロップ選びに歓声をあげる姿を見て、思わず微笑んでしまった。
「なぁ、まさと兄ちゃん、昼間見せてくれたヤツ、また見せてやー!」
俺は子どもらのリクエストに答え、簡単なパフォーマンスを繰り出した。
たちまち子どもらが集まり出した。
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