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第一章 こんにちは異世界。
第一話 お決まりのようなあれ
俺は死んだ。
14歳という若さで死んだ。
大好きなTCGの世界チャンプになったその帰りの飛行機が墜落して、あまりにあっけなく死んだ。
──けど。
「──というわけで、ワシの話は大体理解できたかの? 王城爆斗くん」
「……あんたが神様で、チート能力をくれて、異世界に転生させてくれるってことでおけ?」
「概ね、正解じゃ」
言って、自称神様のじいさんはにっこりと笑って、ウインク&ピースをばっちし決めた。
なんか気づいたら馬鹿みたいに真っ白い空間にいて、目の前にこのじいさんが表れて、「ワシゲーム好きなんじゃよ」とかわけのわからない理由と一緒にさっきの話を聞かされた。
「……驚キングだわ」
王城家の鉄板ギャグをかましながら、止まない頭痛にこめかみをぎゅっとおさえる。
「じゃあ、さっそくいってみようか! またのバクトくん!」
動揺する僕にお構いなしに、じいさんは両手を広げて叫んだ。同時に真っ白い空間が水面のようにグニャリと揺らぐ。
「ちょっ、おまっ! ぐっ……」
有無を言わさず景色は揺らぎ、瞬く間に僕は意識を失った──
※
「……んっ」
目が覚めると、知らない天井があった。体を起こすと、ただっ広い部屋に置かれたベッドの上で自分が寝ていたことを知った。
「どこだ、ここ?」
確かドラクラ(TCGの名前)の世界大会に行って、優勝して……あれ?
「俺は……死んだ?」
ふと、滝が流れ落ちるように記憶がワッと蘇った。死んだこと。あの白い空間でじいさんにあったこと。
ってことは、マジで転生したのか俺? むしろ夢なんじゃねえか?
「……ははっ、これは驚キング」
鏡を覗くと、顔面偏差値5の俺が、ただのイケメンになっていた。
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