きっと、大丈夫だから・・・・・・!

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「あははははは!!」 「きゃははははは!!」  狭い病室で2人の愉快な笑い声が響く。雪音にとってこんなに大きな声で笑ったのは本当に久しぶりだった。そんな希望に満ちた表情と笑い声は続き微かではあったがまだ生きていたいと彼女は思った。 「あはは・・・・・・はぁ~いや、面白かったね!」 「ホント!凄く笑えた!こんなに面白い物を持ってきてくれてありがとう!」  雪音の顔色はさっきと比べてずっと良くなっていたのだ。余命数年の病気を患っている人間とは思えない程に。彼女の容態の回復ははっきりと表れていた。 「ふう~・・・・・・」  雪音は軽く息を吐き出すと再びベッドに横になる。そして、夕焼けに染まった街の景色が広がっている窓の外を見た。もうすぐ沈む夕日のオレンジ色が美しかった。雪音は窓を見たまましばらくぼーっと時間を潰す。 「何を見ているの?」  しばらく経って宮子が聞いた。 「ううん、見ていたんじゃなくて考えていたの・・・・・・」  雪音は夜に近づきつつある窓の外を眺めながら答えた。 「私ね・・・・・・夕焼けを見るといつも思うの・・・・・・明日は来るのかなって・・・・・・明日になっても私は生きてるのかなって・・・・・・」 「ゆっきー・・・・・・」  宮子が呟いた。 「私、まだ生きていたいの・・・・・・もっともっと美味しい物を食べて、楽しい事をいっぱいしたいの・・・・・・」  さっきまで笑っていた雪音が悲しそうに涙を流していた。楽しい思いをしたためにますます死を受け入れられなくなったのだろう。
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