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雰囲気の良い店が台無しだと店主は思うのか、騒がしいほどの客に喜んでいるかは髭面の下にある表情を見ると分かる。
「この店って熊も時々来るらしいぜ。さっきの言ってた」
鷲尾は、角砂糖が三つ入ったコーヒーをかき混ぜながら話す。虎次が居れば、うんと頷き小説を読んでいるのだろう。場所取りする為では無かったが、授業が終わるより少し早く四人席を確保した雪乃とユイカは既にコーヒーを飲み終え水を飲んでいる。
この辺りも店主の口がへの字に曲がっている一つの理由だろうか。
「昨日、どうしてコンビニに居たの」
雪乃の言葉で、皆の視線が集まり、各々の手が止まる。鷲尾が来る前に、話した方が良いとユイカが言った、流石に部屋を荒されては、まずいだろうと。
雄平の無実を証明してあげるべきだと。
「まあ、そうだよな。虎にも学校で話したんだけどな。雪乃に言わないとダメだよなぁ。でもその前に、疑問に思わなかったか、俺が居たと同じくらい」
少しいらだっている様にも見える。疑われているのだから無理もない。
「虎だって、あの時間バイトしないで、ユイカんちに行ったんだぜ。店長に早めに帰りたいって頼み込んでたって聞いたけどな。それだって可笑しいじゃん、なんで俺ばっかり変に疑うんだよ」
鷲尾の言う事は本当である。
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