ゆきのちゃんのほっぺ

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「店長に頼んで、代わりの人が居るならと、同じ学校の友人に急遽たのんだんだと、だから代わりに今日バイト。あの後俺も気になって虎の店に行ったから間違いない」 昨日、自分以外の三人全員がアルバイトの為に、雪乃は一人で家にいる筈だったのだ。虎次と二人で帰る途中、恥ずかしくなり走り去ってから、意外と直ぐに虎次は現れた。  居る筈のない人が玄関で寒そうに立っていて。  顔を見て安心してしまったが、どうして虎次はここに来たのだろうと雪乃はずっと考えていた。 「俺も同じだ。虎が心配してバイト休んだように、巨大な男が相手なら俺が何とかしなくてはいけないと思ったんだよ。雪乃は俺たちの仲間だろ。腹空かせてるかも知れないから、飯でも買おうとコンビニ寄ったら、お前らが仲良くデートしてるんだぜ。最悪じゃんか、心配したのが馬鹿みたいだ」  だから、逃げる様に帰った。  途中で、虎次のバイト先によって、話を聞いた。 「まあな、学校で俺たちは誤解を解きあったけど、結局俺も虎も雪乃が心配でユイカんちに行っただけだった訳さ」 それよりも、俺が話さなければいけないのはココからだ。 「俺な、ユイカが心配で雪乃んちに朝行ったんだよ。ほら、俺毎朝五時に走ってるだろう。そしたら、雪乃の家の周りに足跡すげくってさ。直ぐに、電話で虎に報告した訳だ」  大量の足跡は鷲尾の物ではないと言う事か。     
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