ゆきのちゃんのほっぺ

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「うーん確かに。アンタみたいなでデカい男が、小さな男のを苛めるっていうのは良くないよね。いつも見ている気はするけれど」  この場に居ない友人は仕事中にくしゃみでもしているだろう。 「いや、むしろ俺が虎に苛められている気がするぜ」 「それで、鷲尾君はどうして、その人が怪しいと思ったの。早朝に私の家の前に居たからかな」  一番賢い推理役が居ない為、三人で進めるしかない。終わり次第向うとメールは来たが、十時以降。三人でこの事件を終わらせ、虎次が解決できずに悔しがる姿を見たい。  危機感が無いのかと怒られそうだが、こんなに頼れる友人がいる。 「例えば、雪乃が散歩ならどんな服装で歩く。持ち物とかさ」 「飼っていれば犬を連れていくとか、かな。近所なら何も持たないかな。私なら、家の鍵とケータイくらいかな」  ユイカなら化粧道具も持つのだろうか、否、化粧が終わらなければ彼女は散歩に行かないだろう。 「私なら朝散歩なんて絶対行かないな。眠いし」 「だろうな。ユイカはそうだろうよ。だから雪乃に聞いたんだ。その小柄な男、鞄持ち歩いているんだよ。デジカメも持ってた。怪しいだろ」  机に乗り出し、怪しいだろと小声で同じ言葉を放った。 「雄平、あんた馬鹿だわ。それ、怪しいとかじゃなくて犯人だわ」  ユイカは溜息を吐いた。 「でも、密室トリックはどうするよ」     
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