ゆきのちゃんのほっぺ

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「だから、さっき言ったじゃん。足跡ごめんって」 「え、そうなのか」虎次と鷲尾はいつの間にと、驚く。 「今日の昼かな、トイレで言われたの。怖がらせてごめんねって。だから、あんなに真剣に部屋とか片づけ手伝ってくれたのかと腑に落ちたよ。ユイカの隣の部屋の男が目覚ましうるさくて毎日十八時に怒ってノックしてたことも分かったし」  ユイカはまさか六時と十八時になるとはと頭を抱えている。 「なんで、そんな事したんだよ。もしかして俺の靴持ってただろう。予備のランシューなくて困ってたんだぜ」 「だから御免って。なんか、見ててもどかしくてさ、ああいう事が有れば。怖くて彼氏でも作るんじゃないかって、悪戯心が」 「確かにお前らは、なんか見ていて、もどかしいんだよ。好きなら好きって言えよな。男だろうが」虎次を突く。 「犯行時刻は、バイト仲間と遊びに行った帰りか、或いは手伝って貰ったんだろう。で、何も無かった様に、雪乃の待つ自分の部屋に行ったのか」  鷲尾は鼻を鳴らす。 「お前のする事なんて大体わかる。謝って許してくれたんなら、いいんじゃねえの。そうだよな」  三人が頷く。  あのうと手が一つ挙がる。     
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