ゆきのちゃんのほっぺ

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「雪乃ちゃん、ごめん。密室がどうのこうののトリックと言うか、部屋漁ったの僕なんだよね」  虎次はテーブルに頭を付けて謝った。 「いや、さっき密室がどうのっていってたから、ユイカちゃんに聞いたらさ、あの部屋散らかってたって、言ってたから。えっと、皆にもう言ってもいいかな」  雪乃は頷き、赤くなった顔が見られない様に証明を落とした。 「実は二か月くらい前から僕達付き合っていてさ。特に二人で遊ぶとかも無いんだけど、手だって繋いでないし。だから、あのさ、僕合鍵持っているんだよね」  互いに照れて好きとさえ言えず。恥ずかしさ故に付き合っているとも言えなかった。不器用な二人。 「朝にさ、鷲尾から電話あったろ。その後で僕雪乃ちゃんの家行ったんだよ。鍵も閉まっているから大丈夫だろうと思ってたから、一回自分の家で授業の準備をして、シャワーあびてから、雪乃ちゃんの家行ったの。ユイカちゃんの家の二人ベッドで寝ているの知ってたからさ。そこまで急がなくてもいいかと」  でも、アパートの前に着いたら驚いたよ。 「大きな足跡が沢山ついているし、コレやばいなって思った。もしかしたら本当に盗聴器とかあるんじゃないかって」  それで、合鍵で入った。     
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