ゆきのちゃんのほっぺ

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 瓶太は電気をつける。皆が顔をあげ二人の顔を見て笑っている。 「確かによく見ると顔似てるな。苗字も性別も違う、双子か。身長も同じくらいじゃん。瓶太も時々俺たちと遊ぼうぜ。毎週火曜日俺の家か雪乃の家で宅飲みするからよ」  鷲尾にユイカは幸せそうにもたれかかっている。良かったねぇと雪乃は瓶太の頬を抓る。少し嫉妬した顔で虎次が瓶太を見ながら頷く。 瓶太は新幹線で母の居る秋田を目指す。四人から土産に貰った名菓ゆきのちゃんのほっぺを一つ摘まむ。もちもちとした弾力は、幼い頃に突いた姉の頬の様に優しく、柔らかな感触だった。
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