結審のアルカナ

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手を差し出して握手を求める 「しょうがねぇな」 と、しぶしぶという演技で紫苑と握手する 「水も大切だけど、僕ならその不味い?果実を美味しく出来る何かが良いな」 というのはラキア 「穀物がとれるまで不味いの食べなきゃならないのは辛いよね」 「そうね」 リディスも同意した 「あ、それとも美味しい果実がとれる木を出すのもあるよね」 飲み水と食料 どちらを取っても、かなり島での生活が楽になる事は間違いない 「ルミスは、何があると良いと思う?」 大人しく聞いていたルミスにも意見を聞いてみる 「私、なら・・・」 聞かれたルミスの視線は、自然とさっき噛んでしまった瞳子の腕に向けられた 既にマーロンの治癒の魔法ですっかり治っているが、噛んだ直後の、瞳子の血が滴るのを思い出す 「怪我をした時、怪我を治す薬があると良いな、って思うわ」 飲食も大切だが、怪我を放置することは生命にも関わる事もある 事実、今も周りには治療が済んでいない者達は少なくない 「そうじゃな、必要なモノはいくらでもある」 「でも、出現させられるのは1つよね」 全ては、ヘルムの裁量に任されたのだ
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