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「あ、ここだよ」
門扉の奥にこじんまりとした家
「リディス!入るよ?」
声をかけてから門扉です開き中へと進む
入るといきなり眼に入ってきたのは山積みの本
「リディス!」
「こっち、地下にいるから来て」
ラキアの呼ぶ声にこたえたリディスの声は、本の迷路の奥から聞こえた
「向こうに階段があって、その下に部屋があるんだ」
そう言うとラキアはヒョイヒョイと飛び越えていく
瞳子は本を崩さないように慎重に進む
「ここにあるから気を付けて」
「うん」
囲いも何もない穴に設えられた階段があった
階段下からは灯りが揺れている
瞳子は持ってきた本を抱え階段を下りると、けっこう長い事に驚いた
瞳子が良く知る地下室とは全く違う
かなりの広さだ
階段は途中から弧を描くようにぐるりと回って更に下り、ようやく床に足が着いた
見回すと、なんとも不思議な印象を与える道具が並べられていた
壁にかけられた魔方陣には読むことの出来ない文字が並んでいる
ところ狭しと並んでいる棚には様々な鉱石の欠片やら、何が入っているのかも分からない小瓶達
何かのタマゴらしい化石
その他、諸々の雑貨で埋められていた
「スゴい、色んなモノがあるのね」
「ああ、瞳子も来てくれたの」
リディスが棚の間から顔を出す
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