アーリアスティの地へ

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よく見ると、老婆も少年も眼の色が薄い青 日本人でな無いのかもしれない 「何か食べられるかの?」 「あ、イエ・・・」 声が裏返っているのが分かった 外人さんか? 「スープだけでも飲んでよ、お姉ちゃんずっと寝てたんだよ」 心配してくれているのだろう、少年は瞳子の座るベットに両手を置いて訴える 「あ、じゃあ貰おうか、な」 そう言うと、パアッと笑顔になって大きく首肯くと 「待ってて」 と隣の部屋らしい方へ走って行く 走るでない、と老婆に注意され、ピクリとなって歩きに変えた その時、猫耳猫尻尾がビクッと動いたのも確かに見えた 「あの、助けていただいてありがとうございました」 老婆に頭を下げ、 「スープをいただいたら帰ります」 「あ、それがの・・・」 困ったような老婆 「何か?」 「お姉ちゃん、帰れないんだよ」 慎重にスープを運んできた少年が言った言葉に瞳子は再び頭の中にクエスチョンマークが飛ぶ 「えっと、帰れないって?」 「それは、スープを飲んでからちゃんと話そう」 老婆からスプーンを受けとる スプーンも、スープが盛られた器も瞳子が使った事のない素材のモノ 陶器でもプラスチックでもない、木製という訳でもなさそうだ     
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