時空を越えて

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時空を越えて

「瞳子さん、私達職員室行って鍵をもらってくるわ」 「あのね、準備室のコンセント、ちゃんと抜いたか自信ないの」 「それでね、瞳子さん確認して来てくれないかな?」 ニコニコしながら話しかけてきたのは瞳子のクラスメートの3人組 何かと絡んでくる鬱陶しい女子達だ 来月に文化祭を控えていたこの日 放課後は準備におわれ、連日帰宅が遅くなり今日も8時を過ぎていた 最も遅くなった生徒が最後の校内の見回りをし鍵をかけて、翌朝に職員室に戻す仕組みになっていた 今夜は落雷注意報が出ている 先生から、忘れずにコンセントを抜くように言われていた 「いいけど」 別に、そのくらいなら構わない 「私が見てくる」 そう言って、3人から離れる 「お願いね、私達先に昇降口で待っているから」 そんな声を背中に聞きながら準備室に向かう この中学は小学校から殆ど生徒が変わらない つまり、小学生時代の関係がそのまま中学生になっても続く 仲が良かった関係なら嬉しいシステムだが、そうでなかった関係なら最悪だ 私、水島瞳子は小学生の時、ある時から所謂イジメの対象になった 原因なんて今考えても分からない 何があったのかもしれないが、思い出せない 多分、直接的な原因はない     
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