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-えっ。
そこには健さんからのメッセージが書かれていた。
本当は、この本いっぱいに、出来れば2冊目、3冊目と続けていきたかった。でも時間が僕を許してくれない。
巡り会えただけでも奇跡だったんだと今は信じている。
ここから先の物語は、あなたが描いて下さい。
僕の見れなかった景色、感情、すべてあなたの言葉で綴っていって下さい。
私はまた涙が止まらなくなった。
時計は深夜の3時を示そうとしている。
彼の姿が段々薄くなっていく。
-そろそろ時間みたいだね。おっと、伝えなきゃいけないことがあるんだった。
彼は私に少し近づき、真っ直ぐな目で私をみた。
-○○さん、僕はあなたが好きです。一緒に過ごすことはもう叶わないけれど、遠くからあなたを守ります。
-私も健さんのことが好きです。
私たちはお互い照れくさそうに微笑みあった。
そしてキスをした。彼の姿がなくなるまで。ほんの少しの時間だったけれど、私は彼から大きな愛をもらった。
-ありがとう。
私は雲の上に乗っているみたいにスッと眠りについたのだった。
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