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人目のある所で広げる事は出来るはずがない、これは家に帰ったらゆっくり読もうと思う。
ああ、もしかして、実はこの当時の記憶、恥ずかしいという意識はあるんだよな。
それで、忘れる事は無いと思ったけど忘れたのかな……。
封印されし大学ノート、開こうじゃないか。
もう何年昔の事になるのやら、数えるのも億劫だからあえて何年前だとかは言わないけれど、なんとなく年代とかは察する人は察するかもしれない。学生時代の話だからな、どうしてもそうなるだろう。
それは、俺達の間では『トラブルA』、トラブルアーツと呼ばれていた。厄介事だったけど、特異な厄介事だったからな、普段日常的には面倒事は『トラブる』が使用されており、『とらぶった』という連用形が用いられていたので使い分けが出来たというわけである。地方方言で『めんどい』系の方が日常的には使われている。
これらとは別の意味で、共有した面倒事としてあえてそれは『トラブル』と呼び、その事象の把握としてアーツ、Aという文字を振って現していたりしたものだ。
誰かがそれをマハトマアーツだと言った。
誰だったかは、ちょっと忘れたが多分ミオが言い出しっぺだと思う。どういう意味かは憶えているな、ざっくりとだけど。
マハトマアーツ、偉大なる魂の教養。
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