封印されし大学ノートの事

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封印されし大学ノートの事

 都会に出てから、すっかり地元から足が遠のいている俺だ。  いやでもまぁ盆と正月くらいは実家に帰るけど、それ以外は本当に、地元の田舎の事なんてすっかり忘れて暮らしているんだと思う。  よくある事だろう、だからそんな自分を親不孝だとか思うことも無く日々過ごしている。  俺には俺の生活があるし、仕事だってあるんだ。  さてはてそんな盆や正月などの帰省時期ではない、一体全体何用なのか推し量れないタイプの実家からの着信履歴程、嫌なものは無いと俺は思うが、どうだろう。  仕事終わりに携帯端末を開いてみて、居並ぶ着信履歴の数に正直、うんざりする。  母よ、何故平日の一番忙しい時間帯に電話を寄越すのだ?急用ならば留守番電話に何かしらメッセージを寄越しておいてくれればいいのにそれもしないし、メールとかラインとかだって通じているんだからそういうので用件を伝え直すという事が何故出来ない。  全く持って、何の用事なのか見当がつかないからこそ、緊急なのか、もしかして緊急を要する電話だったりしたのだろうかという不安が徐々に競り上がってくる。  あとはそう、その時の気分によるな。     
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