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射的が外れたから残念賞だと、お店のおじさんがくれた袋入りの線香花火。
今やりたい、一緒にやってから帰りたいと言った私のわがままを、遼太郎はしょうがないな、と聞いてくれた。
それはたぶん、遼太郎がとても優しいからだ。
でもわかってる。幼なじみの私に優しくしてくれるのは、私が妹のようなものだから。
どう頑張っても私は、それ以上になれないからだ。
だったらせめて、明日都会に帰るのだと、そう言って笑った初恋の人と、もう少しだけ一緒にいたかった。
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